令和2年度から新たにSUWAプレミアム認定商品に加わった、アトリエスクランブルさんの「HOURソープ」。認定を受けるまでには、素材に込められた様々な物語や、作り手の思いがありました。

今回は、素材から石鹸を作る過程だけではなく、ブランド化に至るまでの思いを、アトリエスクランブル代表の小古間(こごま)さんにお聞きしました。

思いを語る小古間さん

 

れでは最初に、なぜ石鹸を作ろうと思われたのでしょうか?教えてください。

「石鹸を作ろう」と思ったきっかけですが、以前居住していた東京での生活の中で、手作り石鹸が好きだったことがあります。その時はまだユーザーの一人に過ぎなかったんですが、石鹸について段々と興味を持ち始め、色々と調べるうちに個人でも作っている人がいることも知りました。しかも、泡立ちもよくて、材料も安心できる物を使っていらしたんですね。

もちろん、その時は「自作するとなるとハードルが高いな」と感じていたので、自分で作ることまでは考えていませんでした。

その後、現在の富士見町に移り住む前の2006年くらいの頃ですが、いったん山好きな両親と一緒に原村へ移住していたんですね。なぜ原村だったかというと、両親が選んで決めた場所だったためです。なので、移住当初は周りに馴染みや知識も何もない状況だったので、自分にとっては周囲に何があるのか知っていることも無く、やることも見つけられなくて。

そんな中、ふと、東京でのことを思い出したんです。「あっ、自分は石鹸が好きだったな」、と。それで、幸い、住んでいた周囲には自然やハーブで溢れていたので、「まずは仕事とかでなく、「とりあえずやってみよう」ということで始めたのがきっかけです。

でも、最初から本格的ではなく、原村で開催されているクラフトフェアやワークショップに出展したりするくらいでした。

青空に向かって咲き誇るヒマワリの花。石鹸には欠かせない素材の一つです

その後、原村から別の地域に引っ越してから、改めて富士見町に移住したんですが、それが2015年のことでした。地元産品からの石鹸製造に特化して本格的に始めたのは、富士見町に移住してからになりますね。

士見町で作る上でのメリットは?

やはり、「石鹸の素材に恵まれていること」、これが一番大きいです。自分が手掛けているものにしても、ハーブ、ひまわり油、はちみつ。これらは全て、石鹸屋からみると「宝」なんです(笑)。

しかも、既に石鹸の素材として利用できる状態にまで手掛けている人が身近にいて、自分がゼロから始める必要もない。振り返ってみると、「恵まれていたんだな」と感じます。

雄大な自然の中で育った「ローズ」

 

ブランド仕掛け人、「森のオフィス」

これで3種類の石鹸ができて、顔ぶれが出揃ったので、1つの商品としてブランド化しようと思いました。ただ、自分の力だけだと「作るだけの人」でしかでないので、そこは、富士見町に移住してきた同期生でもある、「森のオフィス(※富士見町のコワーキングスペース)」の津田さんにデザインを相談しました。「森のオフィス」さんも、ちょうどオープンから数年が経過していて、様々なプロジェクトが動き出していた状況だったこともあります。しかも、津田さんは移住当時から知り合いだったので、頼るのは自然な流れでしたね。また、「森のオフィス」さんでは、デザインだけでなくブランディング、コンセプト決めから全てお願いできました。

それだけでなく、実は、ローズ石鹸の素材を頂いているバラ農家の方も、森のオフィスさん経由で初めて知った場所なんですよ。

様々な人が行き交う拠点、富士見町の「森のオフィス」さん

 

ブランド名に込めた思いを教えてください

「森のオフィス」さんにデザインを注文したのが平成31年の2月だったんですが、その頃から、ブランドの泊付けのため「SUWAプレミアウムの認定を取る」目標に考えていました。

ブランド化する上での元になる理念は、「この地から生まれたものは使っていきたい」、「育てている人がいる物を活用したい」という気持ちです。

この理念を石鹸に込めて、頂いた素材を1か月熟成させ、「時間」をかけて作ります。それだけではなく、バラもはちみつもハーブも、その前の素材の段階から、生育して作られるもの全て「時間」がかかっています。

また、インスタントな消費ではなく、丁寧に泡立てるなど、自分としても「時間」をかけて手間をかけて使って欲しいという思いも、コンセプトの背景にありました。

自分から、このようなイメージを伝え、津田さんに候補となるブランド名を出だしてもらい、即決した名前が「HOUR」というブランド名です。

思いを込めて作られました

 

また、HOURブランドは、他にも商品用のパックデザイナー、そしてアートディレクターも合わせ、4人で立ち上げています。

そしてもう一つ。「HOUR」の綴りから先頭の「H」を取ってみてください。「OUR」となります。「私たち」です。素材を生産する方やデザインする方も含め、色々な人が関係し私たちが立ち上げた意味にも繋がっているブランド名だと思っています。

 

どのような時に「やりがい」を感じますか?

実際に購入して頂いた方の声からは、大事にしてくれている人が多いと感じる時ですね。中には、「もったいなくて少しづつしか使えないので、なかなか石鹸が減らない」と聞くこともあります。ホントはジャンジャン消費して頂いてもよいんですが(笑)。

他には、贈答用に使ってくれるのもうれしいですね。石鹸の「良さ」の持ち出しが他の人にも伝わって頂きながら、その連鎖が広がればさらに良いな、思います。

ガラスの里に並ぶ「HOURソープ」贈答用にいかがでしょうか。

 

事業者名である、「アトリエ・スクランブル」の由来は?

事業者の名前ですが、「アトリエ」と「スクランブル」という、二つの言葉を合わせた造語なんです。

「アトリエ」は物を生む出す場の意味から取りました。学生時代に絵を描いていた頃もあって、そのため、「アトリエ」はブランドの名前には入れたかった言葉です。絵を書くように、「自分の好きなことを続けていきたい」気持ちは今でも自分の中に残り続けているので。

そして「スクランブル」ですが、実は東京にいた頃、友人とやっていた「音楽系」のイベント名から取りました。「音楽系」といっても「DJ系」なんですが。あっ、ちなみに、自分が音楽系のイベントをしていたことを、他の人に話すのは初めてです(笑)。