諏訪ソノリティ開発ストーリー(2020/7/30インタビュー)

諏訪ソノリティがどのようにして生まれたのか、デザインを担当されたAtelier KODAIRAの小平陽子さんにお話を聞きました。

 

普段はイラスト制作、キャラクターデザイン、パッケージデザイン等のデザインに関する仕事をしているのですが、以前諏訪地方の自然や文化を伝承するため児童向けの紙芝居を制作したことがありました。ある時、私の作品を見たという、高校の同級生である創価大学准教授の西川ハンナさんから、SNSを通して連絡があったのです。西川さんはすごく諏訪に想いがある方で、上諏訪駅の駅前が以前に比べて活気が無くなっていると感じられていたようで、何かできないかなという相談でした。

 

二人で話し合う中でいろいろなアイディアが出てきましたが、その中でも「諏訪の風物詩には良い音がたくさん」あるということから「諏訪の音」を使ったものを作りたいねという話になりました。そこで、私がもともとグリーティングカードを制作する会社に勤めていたこともあり、メロディカードを制作することになったのです。福祉作業所さんにもプロジェクトに参加していただき、諏訪市の産業連携事業補助金を使ってプロジェクトが動き出しました。

 

諏訪ソノリティプロジェクトを進める中でたくさんの方に協力をしていただきました。プロジェクトが動き出した初めのころは諏訪市の地域おこし協力隊の方にも協力をしていただくことがありました。

「諏訪の音」については生の音にこだわりたかったのでLCV株式会社さんへ相談をしたところ、音源をご提供して頂けることになりました。第70回諏訪湖祭湖上花火大会のスターマインの音であったり、2018年に出現した際に湖上で録音された御神渡りの音であったり、坂の上から御柱を落とす直前の臨場感溢れ迫力がある木遣りであったり、全て実際の生の音が入っています。

 

また電子部品についても、限られた予算の中でどうするか悩んでいたところ、日本電産サンキョーオルゴール株式会社さんがご協力をしてくださったりと、たくさんの方のご協力を頂いたことによって諏訪ソノリティを完成させることができたのです。プロジェクトを通してたくさんの地元の方と繋がりができたことは特に印象に残っています。

    

デザインについては、できるだけ実際の映像を表現したかったので、細かいところまで再現するように気を使いました。「大曲り」では、たくさんの人が登場しているので、1人1人描くのは大変でしたが描き甲斐がありました。絵が飛び出すという構造についても、シンプルだけど迫力がある様子が伝わるように何度も改善を繰り返しました。

 

諏訪ソノリティは見て、聴いていただくことで諏訪を訪れた方には諏訪を知っていただくきっかけになれば嬉しいですし、全国にいらっしゃる諏訪の出身者の方に故郷を思い出してもらえたら嬉しいです。今は5種類ですが、諏訪という特別な地域である強みを生かし、機会があればこれからも諏訪の音を使った新しいバージョンを増やしたいと思っています。

 

 

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