『月追揺杯(つくおいようはい)』
ナノレベルの精度で磨き上げられた酒器の内側をのぞき込むと、
杯の底に満月が揺れるように見えることから、
そう名付けられました。
“輝きに酔う”という新しいコンセプトの酒器『月追揺杯』。
開発を担当した(株)ナノ・グレインズの小松隆史代表に、
開発の経緯とその魅力をお話いただきました。
京都のアーティストに聞いた、揺杯の話をヒントに
こちらが今回お話しを聞いた(株)ナノ・グレインズの小松隆史社長。
『SUWAプレミアム』の原点でもある「砂時計」にも使われたコバルトクロム合金(東北大学とエイワの共同開発)。
引き続き、岩手県釜石市にあるエイワの復興支援につながればと、コバルトクロム合金を使った製品の企画を考えていたという小松さん。
小松:京都のイベントに行った時に、アーティストの方から細川半蔵の『機巧図彙(からくりずい)』にも出てくる「揺杯」の話を聞いたのですね。 -さわると揺れる形状の杯を、揺らさずに静かに飲む「揺杯」。町人の間で揉め事があった時に、仲直りするための文化だった。- というエピソードはおもしろいなと思って。人体にやさしいコバルトクロム合金のアピールにもつなげられるなと。 |
江戸時代(1796年、寛政8年)に、茶運び人形などで知られるからくり技師・細川半蔵頼直により書かれた『機巧図彙(からくりずい)』。その中に「揺杯」の話が記されています。
人にやさしく、プラチナのような輝きを持つ「コバルトクロムモリブデン合金」。
最近では、人工関節だけでなく、宝飾品としても注目を集めています。
一方で、素材の安定性が高く非常に硬いため、加工が難しいのが課題でした。
その課題を解決してくれたのが、腕時計の外装部品の加工などを行っている「松一(まついち)」。
ナノ・グレインズ(小松精機工作所)の精密加工技術と、
ナノレベルの精度までこだわる「松一(まついち)」の高い研磨技術が
コラボすることで、「月追揺杯」の美しい輝きを実現することができたのです。
研磨は(株)松一で行われる。ナノレベルの研磨技術が要求される。
100年後も輝きが変わらない『月追揺杯』
「月追揺杯」には、その美しい輝きだけでなく、
○「銘酒の味を、銘酒のままに飲める」味わい深さ
○「100年後も輝きが変わらない」耐久性
○「海水に沈めても、錆びない」安定性
などなど、様々な魅力がありますが、
リクツよりも、実物を眺めて、手にとって、
その輝きを味わっていただきたい酒器です。
2015年3月11日。技術提供した「JOIN」と共同発表
震災復興の願いをこめて、2015年3月11日、
加工技術を提供した「JOIN」と共に、東北で発表された「月追揺杯」。
小松:技術を独占するのではなく“連携”することで、 新しいビジネスやテクノロジーが生まれる土台をつくってあげることが、 本当の復興支援だと思うのです。一時的な支援では、未来につながらないので。 |
という言葉は印象的でした。
39,800円(税別)。まずは買うか、買わないかを肴に一杯
さいごに『月追揺杯』を購入された方のお話をご紹介します。
『月追揺杯』は酒器としては安くないでしょう? だから、まずは買うか買わないかで一杯やって。 実物を見せてもらって、感想を言いながら一杯やって。 買ってからは、居酒屋に持っていって、友人にウンチクを語って。 外に持って行きたくなる杯ってそうそうないでしょ? 飲みすぎて、なくさないようには気をつけているけどね(笑) |
>>次回は「月追揺杯」ができるまでの製造過程をレポートします!
商品名 | 『月追揺杯(つくおいようはい)』 |
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メーカー | (株)ナノ・グレインズ |
価格(税別) | 39,800円 |
サイズ | 直径3.8cm 高さ6.1cm 重さ300g |
販売場所 | SUWAガラスの里 プレミアムショップ |